第6回外来魚問題懇談会の結果概要
水産庁が外来魚問題に関し公式に開催する懇談会で、平成14年5月から継続して開かれている。
第3回までに、各委員からそれぞれの立場による発言がほぼ出揃ったものの、第4回,第5回と意見提出が続いていた。今回は、こうした意見を盛り込んだ中間報告の検討と次回から外来魚の生息区域と生息数減少を前提とした、暫定的モデル事業に関する素案の検討にとりかかるための確認がテーマであった。
「外来魚問題に関する懇談会(第6回)」の結果概要について
――――ブラックバス等外来魚問題に関する関係者の取り組みについて――――
1 内水面において、在来の魚種等を食害するため漁業や生態系に悪影響を与えているとされるブラックバス等の外来魚が問題となっており、水産庁としては、その生息数を減らしていくことを基本として、移植の制限、駆除等に対する支援やブラックバス等の効率的な繁殖抑制技術の開発等を実施していますが、顕著な効果は見られていません。
このため、これらの対策を効果的に推進するためには、行政等の取組とともに、国民的な理解の下、遊漁者など幅広い関係者の協力を得ることが不可欠であることから、「外来魚問題に関する懇談会」において、関係者による具体的な取組について合意形成を図るべく検討を開始したものです。(別添「(参考)外来魚問題に関する懇談会開催要領」を参照)
2 第6回の懇談会は3月19日(水)に開催され、第4回より議論が行われている「関係者の取組に関するモデル的事業」の素案及び第5回においてこれまでの議論を経過報告としてまとめ公表することとされた中間報告案等について、議論が行われました。
〈議事概要〉
1.第4回の懇談会以降、「関係者の取組に関するモデル的事業」の素案について意見交換が行われているところであるが、素案の問題点を明確にするため、今回も引き続き意見交換が行われた。
特に、「違法放流防止対策の欠如」「収容水域の是非」等の問題点や「釣り人の協力の必要性」「レジャー・フィッシングのあり方」「水産基本法、生態系保全等の視点」「社会情勢を踏まえた将来展望」等の事業の方向性について幅広く意見が交わされた。
(参考)
「関係者の取組に関するモデル的事業」の素案の概要
対象地域内のブラックバス等外来魚の生息を抑制することを目的に、関係者の合意した計画に従って、排除すべき水域から管理が可能な特定の収容水域に、オオクチバスを移動させること等を内容とする3年間を目途とする試験的事業。
2.また、これら議論の他、委員から「駆除による豊かな生態系を復元するフローチャート」や「生物群集指定の天然記念物である深泥池での市民参加による駆除の成功事例」が示され、議論に付された。
3.中間報告案については、今回委員より出された意見を踏まえ、さらに次回の懇談会までに各委員と調整の上、公表することが確認された。
4.出席委員は別紙のとおりであり、環境省、文科省の担当者がオブザーバーとして出席した。次回も、「関係者の取組に関するモデル的事業」について、引き続き議論することとなった。
懇談会に関する問い合わせ先
水産庁沿岸沖合課 内水面調整班 (代 表)03-3502-8111
担当:西嵜・小坂 (内線7219) (夜間直通)03-3502-7768