○モデル事業案の取り扱いについて ・ モデル事業の素案を関係者の取組の最大公約数とすることは困難ではないか。
・ これまで議論したモデル案はとん挫している。ブラックバス等外来魚を減少さ せることはコンセンサスがあるのだから、封じ込めを前提としない駆除だけを進めるための他のモデル事業について議論すべきではないか。 ・ 深泥池、牛ヶ渕等の取組においては釣り人の視点が抜けており、伊豆沼、琵琶湖の内湖等の漁業とルアー釣りが絡んでいる水域における取組について議論をすべきではないか。 ・ 有用性を全く否定した取組を議論するのであれば、まず、活用することの是非について議論することが先決ではないか。 ・ モデル事業案は3年間の試験実施であり、例えばモデル的に10箇所くらい設定して試験を行い、その結果を踏まえて、さらに必要な改善を加える方法もある。これまで議論してきたので、継続して議論すべきではないか。 ・ ブラックバス等を排除した後の受け皿がない場合でも釣り人の協力はあり得るが、例えば淀川のイタセンパラを守るための取組であれば、バスを一定の場所に集めようという提案が可能。この場合は、釣り人全員の同意を得るために排除したバスの受け皿が必要。 ・ 懇談会の委員以外の関係者から話を聞く機会を設定すべきではないか。
○関係者の取組に当たっての基本的コンセンサスについて ・ バスがよいか悪いか、命の問題云々という議論ではなく、基本的コンセンサスに沿って、その方法論を議論すべきではないか。 ・ ブラックバスは有用性があるため導入されてきたものであり、多くの釣り人が活用しているという現状があることを認識すべきではないか。したがって、ある程度の利用はあってしかるべきであり、ブラックバスが生息してはいけないところでは協力は可能と考える。 ・ 水産基本計画や新・生物国家戦略等を踏まえると、今後ブラックバスを対象とする産業基盤は成り立たなくなると見ており、このような視点に立って議論すべきではないか。 ・ 閉鎖性水域で地元の合意があれば内水面もブラックバスを対象とする産業が成り立つと考える。 ・ 漁協は経済的に困窮しているのは事実であるが、地元が潤うとかお金の問題で片づけることができないことは、釣り人がお金では動かないというスタンスと同じ。内水面においては、その生態系を子孫に残せるよう維持保全することが関係者の使命と考えており、そのような観点で議論を進めてほしい。 ・ 種苗供給の現状と水産経済のシミュレーションから判断すれば、もはやブラックバスによる経済効果は期待できない。 ・ ブラックバス対象の免許については、生態系保全の観点から免許しないよう要望が出され、他方、免許を支持するメールも届いている。県は、生態系保全の観点から駆除の方針を出しており、免許の単純更新の考えはない。水産庁の助言を踏まえ、持ち出し禁止の措置等の条件を満たすことが免許の要件としており、十分議論を尽くして対応したい。6月に開催された漁場管理委員会では、県内の河川湖沼では持ち出しの禁止の指示を発したが、キャッチアンドリリースの禁止については結論が出ず継続審議となっている。 ・ 4湖の免許には正当性があり、むしろ何カ所か増やすべき。有用性の是非及び徹底した駆除の可能性について、どこかで議論すべきと考える。 ・ そうなれば、この会がコンセンサスを得るためには、意見の異なる両者のうちどちらかが出ていかざるを得なくなるので、慎重に対応すべき。 ・ 食文化の観点から有用性について議論するのであれば理解できる。 ・ 議論がまとまらないのは、根底にバスの有効利用の側面があることによる。水産庁が明確な方向と内水面の将来像を示すことが基本であり、中途半端なスタンスが混乱を招いていると考える。 ・ 理論的にだめなものはだめといえば容易である。どのようにしてそのようにするのかを考えると簡単に判断できるものではない。国がすべきという話ではなく、関係者がどのように具体的に対応すべきかを議論することがこの会の趣旨ではないか。
○密放流対策について ・ 密放流の事実はあるがその実態が不明。事例等の紹介によって議論を進めるべき。 ・ 漁具のエリの中に同じ大きさのブラックバスが大量に入っていたことが確認された。このようなケースは密放流しかあり得ない。放流の現認がなく、密放流があったという証拠だけでは対処できない状況。警備会社に委託してパトロールしているところ。 ・ 放流されたことは事実であるが、誰が行ったのかは不明であり、警察も苦慮して
・ いる状況。また、どの程度放流されたかわからないので、どこまで駆除を続けてよいかわからない状況。議論に付すのであれば把握しているデータは提供したい。 ・ かつて山梨県は密放流の温床といわれたが、コクチバスは本栖湖ではここ3年確認されておらず、ほぼ全面駆除されたと考える。この間に要した経費は1,200
〜1,300万円。 ・ 新たな放流はなくなったと考えており、そのような警戒は解除すべき。地域的には振興につなげたいとの切実な話があることにも耳を傾けるべきではないか。 ・ 平成4年に水産庁から移植禁止の指導通知が出されたが、それ以前は罪悪感がないままに移植したケースが多いと考えられる。しかし、現在でも移植が日常的に行われているということは考えにくい。 ・ 密放流対策については輸入規制が最も有効であり、国が水際規制をできるよう法律で制度化することが重要。ブラックバスの漁業権を与えている県は、漁場管理委員会において生体での持ち出し禁止を早急に指示すべきではないか。 ・ 持ち出してはいけないということは周知徹底されており、輸入規制は将来的な課題であると考える。 ・ 密放流防止のための取組は、釣り人と漁業者が共同して排除すべき方法を議論することから始めるべきではないか。密放流の情報があった際、情報を迅速に集め、即座に共同して対応するという合意があれば対応できるのではないか。釣り人は自然愛好家が多いので浸透しやすいと考える。 ・ オオクチバスを含む統一したコンセンサスの下、釣り人を含む情報・対応ネットワークを充実させていく取組方法は評価できるし、対応可能と考える。 ・ 中禅寺湖におけるコクチバスの密放流について学んだことは、密放流があった際早い段階で情報を流すことが重要であること。初期動作として調査が行われ、釣り人も協力して早く駆除できた。ネットワークの提案はよい方法と考える。
○駆除の効果等の事例紹介について ・ 琵琶湖では、行政としては生息数ゼロを目指して取り組んでいる。湖上のバスボートは多く航行上からも危険な状態である。県では外来魚のリリース禁止の啓発のため、7月から200円/kgで買い取り、ガソリン、ホテル代等に利用できる「ノーリリースありがとう券」を発行している。土日は釣り人から数百kg の持ち込みがあり、持ち込まれた外来魚は魚粉肥料化されている。また、密放流対策として警備会社にパトロールを依頼しているが、始まったばかりであり、現認の事例はない。駆除については、漁業者へ駆除費用の補助、緊急雇用対策事業の活用、水産試験場による駆除技術開発事業を行っている。駆除された外来魚は飼料化されている。昨年の生息数を3千tと推定し、そのうち5百t駆除した。今年は現時点で180t駆除した。駆除の効果として最近スジエビ等の在来種の復活が見えてきた。 ・ 駆除の効果として、牛ヶ渕等で実施しているカイボリ方法は、単に外来魚が駆除されるにとどまらず、物質の回転率を高めることにより在来魚が増える可能性もある。
○その他 ・ 懇談会の運営方法として、懇談会開催の間隔が長すぎるとの指摘があった。 ・ 今後の議論の参考として、遊漁者を対象としたアンケート調査の中間結果報告 があり、これについての評価及び議論が交わされた。 ・ 琵琶湖の取組について、小学校の総合学習制度の活用によりその啓発理念が想像以上に子供に浸透しているとの意見がある一方で、琵琶湖ルールの制定には見切り発車の印象があり、あらかじめ釣り人の理解を得るための方法があってしかるべき、琵琶湖には行かないという話も多く聞いている等の意見があった。
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