【緊急】
小池環境相ご発言について

 

 

 

1月21日昼に発表された「オオクチバスは直ちに指定されるべきだ」とする主旨のコメントについて、
4回にわたって開かれたオオクチバス小グループ会合に利用者代表として出席した一人として、遺憾の意を
表します。
小グループ会合には環境省の要請により出席しました。すなわち環境大臣の意をうけて意見提示をさせて
いただいたことになります。紆余曲折はありましたが、
19日の会合により、小グループの合意が成立するに至り
ました。
しかし、小池大臣のご発言は、自らの監督下にある小グループ会合、しかも公開により開催され周知の内
容を、全面的に否定する結果となっております。
このことはオオクチバスを指定することの可否以前に、行政機構に対する大きな不信を誘発する重大な事
柄であり、民主的であるべき会議に対する否定にほかならないと感じています。
また、特定外来生物被害防止法が農林水産省との共同法であるにもかかわらず、環境大臣が単独で意思表
明された姿勢は、第一次産業等と環境問題が、外来生物対策にあたり、根源的に両極に位置する関係にあ
ることに思いを致すとき、両者の合意点を求めながら作業を進捗させ、国民の合意の上に立ち、国民生活
を維持しながら、環境に対する負担を軽減させる目的を果たすという、困難な事業を遂行する上で、大き
な障害を招く可能性があると思料します。
(社)全日本釣り団体協議会は平成1310月の理事会決議(当HP 外来魚問題/全釣り協のスタンス 掲載)以来
すでに拡大生息している 外来魚に関し、機会あるごとに「秩序の形成」の必要性につき意見と現実的策の提
示を行ってきました。しかし、現実的な対策についての誠意ある回答は得られることなく、
外来魚のもたら
す被害のみが主張され、現在に至っています。
今回の指定可否問題には様々な要素が複雑にからみあっているものの、大要は法により指定を強行すべし
とする側と、先に具体策の方向を定め、その上で賛否を問いかけなければ、実効は得られないとする側の
対立であったと解釈しています。
全釣り協では数多くあるジャンルの釣り人の間での合意形成の完成と、社会的な合意形成の、両者をとも
に果たしうる最後の機会であるととらえ、且つ又すでに実質的な有効利用を行っているかなりな数の漁業
組合等や、今後秩序の中で、有効利用を希望する地域の人々の意をも挺し、合意形成のために時間をいた
だき、その上で可否について議論したい旨の提案をしてきました。
ただ単に「現在一部で膾炙されているオオクチバスの善悪」のみで、この問題を処理できるものではない
ことは、わざわざ「小会合」が開催された事実でも明白です。
今後も、さらに幾つかの釣り対象魚に関し、制約が提示される可能性が無きにしも非ずと聞き及んでおり
ますが、このような状態では到底合意は不可能ではないかと懸念いたしております。
また、このあと、現場において発生する可能性のあるさまざまな混乱に関しては、小池大臣の責に存する
と思料いたします。

 

全釣り協では本日のご発言について、未だ機関で意見統一する暇がありませんが、所属する多数ジャンル
の釣り団体、及び
1700万人に及ぶ釣り人の委託を受けてとの自己認識のもとに、会合に出席させていただ
いた責において、申し述べさせていただきます。

 

平成1721

利用者代表(社)全日本釣り団体協議会専務理事

                               來田 仁成



Topに戻る